ノーゼに渡った途端、情報量が一気に増えたため、
今回はワンステージで裏話。


―騎士たちの話―

 完全にアドリブで書きました。本編と直接は関係ないので、かなり楽しんで書いておりました。いっそ、このままリティを主役におくか……(ラ:『俺の立場は!?』)。……いえ、冗談です。本編の流れはだいたい決めてありますが、また機会があったら、こういう寄り道的な話を書きたいですね。
 一見無関係で実は影響受けていそうなのが、小さい時に呼んだ童話です。アンデルセンとかグリムとか多分その辺りだったかと思いますが、次に生まれてくる子が女の子なら上の兄さん達(11人?だった気が…)は殺そうと王様が言い出し(無茶苦茶ですね)、母親が彼らを逃がすのですが、生まれたのは王女で、兄弟達は城に戻れず、森で暮らすことに。やがて、成長した妹は自分に兄がいたことを知り、とうとう兄さん達を見つけるのですが、魔法の掛かった薔薇(?これまたうろ覚え)を摘んでしまった為に、兄さん達は皆、鳥の姿に。その呪いを解くため、決して言葉を喋らず編み物を続ける健気な妹。そして、どこぞの王子に見初められ妻となった妹は、陰謀にはめられ処刑されそうになるものの、リミットぎりぎりで呪いの解けた兄さん達が助けに来て、妹も口が効けるようになり、誤解も解けてハッピーエンド――そんな話だったと思います。今思えば、これだけ詳細を覚えているというのは、よほどその話が好きだったのでしょう。他にも、白雪と紅薔薇のような、知恵とか勇気とか根性とかで(注:表現に難あり)たくましく頑張っていく主人公達が最後には報われる系統の話は好きでしたね。……余談ですが、『7人の男、世界をまたぐ』という童話はインパクト大でした。とても愉快な話です。奇人変人超人集団の快進撃、とでもいいましょうか。でも、よく考えると、最後に富と地位を手に入れる7人のリーダー(主人公)って、人集めただけで、実は何もしていない(苦笑)んですよね。ディレクターも大事な役ってことか、うん。


―言語について―

 これは次回、忘れなければ本文中に説明を織り込むつもりですが、ノーゼではスロウディアとは違う言葉を喋っています。感覚としては、日本人から見た英語くらいの身近さ。
 これは補足ですが、シロガネーズ(その呼び方どうにかならないのか…)は、今までの登場シーンでは、しっかりスロウディアの現地語を喋っておりました(笑)。彼らは斥候のような役割で来ていたので(決して、観光目的ではないのですよ!?城の前でピースして写真なんて撮っていませんから!!)、下手に目を付けられないように、語学学習は徹底していたのだと思われます。彼らの出身は、もともとノーゼなんですけど。
 そういえば、ヨーゼフはリティでも知らない言語を幾つか習得しているようです。恐らく4〜5ヶ国語は話せるものと。


―ヨゼとミハっちについて―

 この二人は、当初予定していたのと、すっかり中身が入れ替わってしまった状態です。
 ヨーゼフ → 物静か。口数は少ないが、発する言葉の意味は深い。
          大人しくちょっと謎めいた青年。(……。ありえないです)
 ミハエル → イヤミで毒舌。リティに対しては、棘のある言葉ばかり。
          問題児達の親分(←ここは変わってない)。

……の、はずが――

 ヨゼ → なんか無意味に強いし性格ひねくれてるわ毒舌だわ……
       お前は一体何なんだ〜!?
       まあ、女嫌いは、ああいう召使いを見て育った結果だとは
       納得できますが……。
 ミハ → なんだかんだでいいお兄さんしてるじゃないか! このぉ!
       結果的に、普通にかっこいい兄ちゃんだと思います。

 なぜか、初期設定ではクリーンなはずのヨーゼフがどんどん黒くなり、その分をミハエルが補ってバランスをとるような形に……。もうこいつ(ヨゼ)は、作者の手に負えません。何考えてんのか、もう翠にも解んねーよ!!(泣)
 ミハエルは軟派なイメージがあり、実際結構女の子とは遊んでるみたいですが、現時点でリティに本気で手出しする傾向はありません。『2年後よろしくっ!』てのはありそうですけどね。


―屋敷のお兄さん方―

 まず最初に人数を決め、そこから絶対はずせないキャラを作っていき、あとは適当にカタカナの羅列でぱーっと名前をつけていきました。で、いちおうキャラ確立するために、まず得意武器(or魔法)を決めて、最後にできるだけかぶらないように外見(髪型、髪と目の色)を決めて、イメージを固めました。
 その中で、ラッツだけは目の色が金色と特殊で、もしかすると魔族じゃないか疑惑が生まれたという、なんとも行き当たりばったりな設定。でも、魔族だって、ばれなきゃいいのだし、知ったところで、兄弟達は秘密を守るはず。屋敷の外に漏れなければ、きっと問題ナシでしょう。(設定を適応したとしても、人間の中で生まれ育って、こっそり生きているパターンであり、人間を敵視する魔族とは根本的に違う)


―屋敷での生活―

 やたらと筋肉質な日々(謎)を送っているようです。1ヶ月も滞在すれば、脳みそまでムキムキにv が謳い文句(注:大嘘)。ええそうです! 彼らだって別に頭を使っていない訳ではないのですよ! 本文中では語られていませんが、弓あるいは魔法が使えるカントとかラッツとか、中衛の人間なんて特に、戦況を把握して動けなければ務まりません。あと、ぱっと見ただけでもミハエルは頭良いな。
 基本、翠も体育会系なんでしょうか? 高校まで6年間運動部だったのは確かですけど。
 皆さんのきなみ揃って酒豪のご様子で、ヨーゼフとかそれなりに強いみたいですが、飲みならミハエルが上らしいです。


―ネタバレってみましょうのコーナー―

 当主一家の息子さんは11人、その中で本当の子は2人(ちゃんと2人とも夫人の子)
 ……まあ、だいたい見当はつくでしょう。って、はいそこ! 子供時代が想像出来ないとか言わない! なんだかんだで上手くやってたんですよ、彼らは(――翠の脳内では)。そのうち人数が増えてって、今の大所帯になりました。
 現当主にも、同じく、青春時代を共にした『兄弟』が何人も居た訳ですが、息子達の代へ交代の際に、彼らは皆引退して、屋敷を出ました。一部は城のほうに移った人もいるみたいですし、街で暮らしている者もあれば、中には、旅に出た者もいるようです。
 そして、もう一つ。謎めいた思考の兄貴がなぜだかリっちゃんに渡す剣ですが、あれは、何も自分の剣をそのまんま譲ったのではありません。奴はあれでかなりの怪力なので、本人の使っている剣(槍のが得意)では、とてもリっちゃんの力じゃ振るえないものと思われます。ねたばらしとして、あれは、彼の母親が使っていたものとしてあります。ノーゼに嫁いで来たばかりじゃなく、剣も嗜んでいたという、少なからず変わり者の娘であったことが覗える内容です。リティを止めなかったことに関しては、夫人も後でめちゃめちゃ叱りそうですが、剣に関しては、当主が『妻のものを勝手に…』と怒りそうなとこを、逆に許容することでしょう。『使える人が持っていたほうがいいんじゃないかしら』と。本人が言うのだから、当主も頷くしかないですね。
 今回は悪役として召使い達をおきましたが、彼女達の玉の輿の夢は、あっさり打ち砕かれること請け合いです。……だって、長男あれだもん……。あんなのについていけるひとが見付かると良いのですが……内気でも、嘘はつかない真っ直ぐな娘さんなら大丈夫かな――。良い子なら義弟(つまり兄の実弟)もフォローしてくれるだろうし。つか、お前はフォローついでにナンパしないか不安だ!


   →戻る

inserted by FC2 system