どうでもいいが、主役よりビゼス目立ちすぎ。

―ビゼスについて―

 前半戦執筆中、ライアの次に目立つ準主役がリティとビゼスと公言しているだけあって、気付くと場をかっさらって行く男。特にSTAGE 26〜28は出ずっぱりでした。

 STAGE 26では仲間のウィリアをあっさり捨てましたが、戦場では死者より負傷者が枷になる事を嫌という程実感しているが故、そこに一切の躊躇いや慈悲はありません。ある程度の冷徹さを持たなければ、仲間の仇も討てないと知るが故の行動です。
 NEEDFIREはゲーム化を前提にした作品だとどこかで書きましたが、アルドやライアは他の仲間を『庇う』事ができるのに対し、ビゼスが庇う相手はHPが飛び抜けて低いウィルとフェリーナのみという……。つまり、リっちゃんとかウィリアは迷わず盾にする、鬼のような男(笑)であります。ついでに暴走設定について語ると、FFのバーサクより性質が悪く、味方も当り判定あり、敵を全滅しても暴走ビゼス(HPそのままだが回避MAX)を気絶状態に追い込むまで戦闘終了できないという悪夢の設定。あ、無論、暴走ビゼスだけ残った場合の判定はゲームオーバーで。(ビゼス単独パーティー時のみ暴走のまま終了可)
 ……翠は自分をただのSと思ってるのですが、ドSですか? そんな事はないですよ、ええきっと。

 STAGE 27ではリーティスが弟子入りを請いますが、彼は甘えとか妥協を一切許さない性格です。
 ビゼにとって、リティが女という概念はないようで、剣士であり弟子(ただしそう宣言する限り死なせない責任は取るが故)として見ているので育て方は相当苛烈なご様子。

 STAGE 28でビゼスが唯一ぶちギレる場面があるのですが、とりあえず作中でああいう切れ方をするのは最初で最後です。正直、ライア一人の過失なら同じ結果でも冷めてたのですが、相手が回りくどい手段で、しかも卑怯な襲い方をした(おまけに自らも術に嵌まった)ので、偉いキレてたみたいです。
 基本、勝手に馬鹿やった身内には冷たいものの、そうでなかった場合、「うちの舎弟に手出した奴、出ろ」と敵の本拠地に殴り込むタイプですね。
 対してアルドは、同じ状況に立たされた場合、合法的に周りを固めつつ理詰めで敵を追い詰めるので、二人揃うと最強かも知れません。


―ライアの実力は―

 STAGE 27から若干シリアスが続きますが、ライアの抱えた不安は翠自身の事でもあります。
 自分は本当に前に進んでいるのか? 進んでいるとはしても、ただ1つの事だけを追い求めるストイックさは、自分にはない。それって、怠けているという事だろうか?
 強さの定義なんて曖昧なもの。人に認められるのがゴールではないと知りながらも、現在の自分を、誰かに言葉にして貰わなくては、不安になる。少なくとも、翠には傍から見た自身の事なんて、大して判る自信がありません。
 話を戻しますが、翠はともかく、ライアの実力として、弓は弓兵を含めたスロウディアの正規兵の中で平均くらい、剣は隊長クラスと近衛騎士(合わせて20人程度)に次ぐ技量を持ちます。
 STAGE 27でボコられていた理由は、治安良好な地方で育ったせいで、『街の中だ』という意識が働き、剣を抜くのが一瞬遅れた事。あとは、相手が少なくとも5人以上という絶対的不利と、悪党とはいえ容易く斬り付けるには抵抗があった事。前半戦を読み返しても判るように、ライアは人に剣を向けた事はあっても実際に自分の意識で『斬った』事はありません。なので、その辺は完治後黒いお兄さんに叩き直されるっぽいですねー。

 そんな訳で、ライアは猛者の集う武闘大会で予選を勝ち抜く程度の実力はあるが、むしろ周りが強すぎ、という事になります。


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